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Q. FAP療法のセッション中、カウンセラーが咳をしているのはどうして?


A. クライアントさんに共感して、クライアントさんのトラウマ・不快感・脳の帯電などを受けとる時にそうなるようです。

こんにちは、心理カウンセラーの谷本みづかです。
今回のようにブログでは、「よくあるご質問」ページに載せるにはちょっとマニアックなご質問にも回答していこうと思います。最後の方で遺伝子コードもご紹介するので、ぜひご覧ください。

このご質問は、現在コロナウイルスの影響で世間が咳やくしゃみに敏感になっているから聞かれた……というわけではなく、以前からよく聞かれていた質問です。多くの方が気にされるくらい、カウンセラーがたくさん咳払いをしているってことなんだと思います。確かに、我ながら結構な頻度で咳払いをしているな~と思います。でも、風邪ではないんですよ。

この回答について、もう少し詳しく説明していきますね。

 

咳払いが出る理由

咳き込むのは、風邪を引いてるせいでも乾燥するせいでもないんです。ずっとブツブツ言葉を唱えているので乾燥の影響は多分ゼロではないですが、それとは別の理由があります。その証拠に、FAP療法を開始する前に会話の中で近況などをお伺いしている時には話をしていても咳払いは出ないのに、FAP療法を始めると途端に喉が気になって、気付くとゲホゲホしています。

他にも、咳払いは出ないけれど、セッション中、頭や体の特定の部位が反応して痛んだり、寒気や重さを感じることや、イメージが浮かんでくることもあります。FAP療法を使うカウンセラーでも、人によって反応しやすい部位や強度は違うようなんですけどね。

私自身、この仕事を始めたばかりのころは咳が出る仕組みに気づいておらず、ずっとFAP療法に使う言葉を唱え続けているから乾燥するのかな?と考えていたのですが、何人もの方からセッション中に「今、不快感の塊がすーっと抜けていったのと同時にカウンセラーさんが激しく咳き込んだ」「さっきカウンセラーさんが咳をしたら、みぞおちや肩が軽くなった」と教えていただいて、どうやら繋がりがあるようだと知りました。その後、日常生活の中でも、なんとなく肌に合わないなと感じる場所を通る時や、ショッキングなニュースを聞いた時にも咳が出ることがあると気づくようになりました。

他にも、「前回のFAPが効きすぎたので今回は休憩を兼ねて話すだけのカウンセリングにしたいです」というクライアントさんがいらっしゃったことがあって、その日は傾聴等をメインにする一般的なカウンセリングをしたのですが、終わった後の体の感覚がいつもほどは重くなくて驚いたことがありました。この時の感覚といつものFAP後のずーんとくる体の感覚の差が、いつもクライアントさんのトラウマから受け取っているものなんだな……と感じ、そういった経験を通して徐々に知っていった感じです。

これはカウンセラーだけに起こる特殊な現象ではなく、日常でも多かれ少なかれ、どなたでも経験していることだったりします。「私は鈍感で人の気持ちは分からないんです。自分の感覚もよく分かりません」と仰る方でも、ご本人が気づいていないだけでしっかりと喉や瞼や表情筋などが反応してることがあります。おそらく、咳は様々な反応の中でも比較的出やすいもので、目立つので気づきやすいものなんじゃないでしょうか。

咳はチックの症状の一つでもあるので、発作の一種だと考えています。

 

チックとは

「チック」とは、 わざとではないのに動きや声を繰り返してしまうことを言います。不随意運動と呼ばれるものの一つです。次のようなタイプの症状があります。

音声チック
・カゼでもないのにコンコンとせきをしたり、エヘンエヘンとせきばらいをする
・鼻をクンクン鳴らす
・「ア」とか「オ」とか言う
・「バカ」など、言ってはいけないような言葉を言う
など

運動チック
・目をパチパチさせる
・鼻をヒクヒクさせる
・口を開けたり曲まげたりする
・首をふる
・うでをピクンとする
・足をバタンとする
・おなかをヒクヒクさせる
など

チックと一緒に起こることがある感覚
・動いたり声を出したりしないといられないという感じ
・動いたり声を出したりするとすっきりする
・体のある部分やのどがムズムズしたりチクチクしたりする

(東大病院こころの発達診療部『「チック」や「くせ」をよく知ってうまくつきあっていけるように』より引用:http://kokoro.umin.jp/pdf/tic.pdf)

小さい頃の私は、まさに上の症状の多くに当てはまる子供でした。診断されたことはありませんでしたが、チックだったのでしょうね。チックの遺伝性の影響に加えて、ストレスの大きな環境で脳が帯電しやすかったので、チックの症状によって放電する必要があったのかも……と想像してます。

チックは子供によく見られ、成長するに伴い改善・消失すると言われますが、成人しても症状が残ることはあります(私もその一人です)。

クライアントさんの中にも、普段からチックの症状がある方や、普段は出ないのに、FAPのセッション中だけ様々なチック様の症状が出る方は大勢いらっしゃいます。風邪を引いていないのに、咳や噎せ返る感覚が出ることもよくあります。そういう時は我慢せずに咳をしたり、体を動かしたりしてくださいね。じっと座っていなくても大丈夫ですから。

 

「発作」を受け取り、共感によって苦しみが打ち消されるしくみ

今回は「チック」の説明に終始してしまいましたが、それに限らず、FAPのセッション中は呼吸の変化、てんかんに起因すると思われる各種症状、頭や体の痛み、感情の変化など、様々な症状が現れることがあります。チックの他にも、呼吸が影響を受けて詰まったり、甲状腺由来の喉の違和感によって咳が出やすくなる可能性もあると考えています。

いずれにせよ、FAP療法の基本的な仕組みの一つに「ミラーニューロンを介した身体レベルでの共感によって不快感や苦しみを打ち消す」というものがあるので、セッション中、ミラーニューロンによってクライアントさんの脳の中で起きる平常時とは異なる脳の電気活動=発作が伝わってくるために、カウンセラーにも咳払いという形を取って発作が出たり、クライアントさんの発作を打ち消すためにカウンセラーの側にも発作が出たりするのかも、というのが今の段階での私の見解です。

以上、ご回答でした。

 

補足

ちなみに、カウンセラーの咳は風邪の症状ではないとしても、対面カウンセリングが始まったら、万全を期すためにマスク・アクリル板の設置・距離の確保・消毒などの安全対策はしっかりやっていきます!

カウンセラーの咳や痛みがクライアントさんから受け取った不快感やトラウマ性のものに起因するとご説明すると、「カウンセラーが苦しんでいるけど大丈夫なんだろうか」と不安になったり、「私のせいで苦しい思いをさせるなんて申し訳ない!」と罪悪感で苦しく感じたりしてしまう方がいらっしゃいます。苦しみから解放されたくて治療を受けに来たのに、その過程でまた人の心配をしてしまうのは辛いですよね。

これについては、次回のブログで詳しく書こうと思います。

 

チックに効果的な遺伝子コードは?

ご参考までに、「チック」で遺伝子を検索すると、現時点で関連度トップ10に出てくるのはこんな遺伝子です。

1. SLITRK1
2. DRD4
3. HDC
4. HTR2A
5. COMT
6. DRD3
7. SLC6A4
8. DRD5
9. NRXN1
10. GTS

チックのような症状が気になる方は、「SLITRK1(スリットアールケーワン)の還元」のように「〇〇(遺伝子名)の還元」と7回唱えて試してみるといいかも。
人や自分に対するダメ出しが浮かんでしまう症状や、文句や罵倒が出るといった症状にも有効なことがあります。

私の場合、肩や足のムズムズなどのチックの症状が今でもたまに出ることがあるのですが、「HTR2Aの還元」×7と「SLC6A4の還元」×7を唱えると緩和されます。HTR2Aはセロトニンのレセプター、SLC6A4はセロトニントランスポーターに関係する遺伝子なので、私の場合、チックの症状はセロトニンに関係しているみたいです。
(セロトニンは気分の安定や幸福感に関連する神経伝達物質です。「幸せホルモン」と呼ばれることもあります)

「DRD4、3、5」はドーパミンに関係していて、COMTはドーパミンを不活性化する酵素に関係しているので、効く遺伝子コードから症状の原因を逆算することもできます。医学的なエビデンスが取れているわけではないので、あくまで心理臨床の立場からの見解です。

人によってチックの原因は違うので、効果のある遺伝子コードも違ってきます。「〇〇(遺伝子名)の還元」と7回唱えて、色々試してみてくださいね。
アルファベットの読み方は「エスエルアイティーアールケーワン」のようにそのまま読んでも、数字を「ワン」ではなく「いち」と呼んでも、アルファベットの読み方を自己流にしても、どれでもOKです。

カウンセリングの中では色々な遺伝子コードをご提案しながらその方に合うものを一緒に探していくのですが、自分で自分に合う遺伝子コードを探すコツも、いずれ解説しようと思います。

ではまた!

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